子供の傷7 アムロと母
『子供の傷』の連載はなかなか好評のようです。
反応があると、ちょっと嬉しいですね。
僕にとって「子供の心の成長にまつわる問題」はずっと主要テーマでしたが語ってきませんでした。
それは「この問題に気付くことが、子と親の対立を助長しはしないか」と不安だったからです。
要らない心配かもしれませんが。
世の中のほとんどの人はこの辺りの問題に全く気付いていません。
問題に気付かないまま、都合の良い「家族=団欒」という図式の夢を見ているだけです。
(・・・皆と同じように結婚し、皆と同じように出産し、皆と同じように一生懸命家族のために働いている・・・)
その形は結構ですが、そもそもその選択は「皆と同じが良い」が動機。
始まりがそういうふうだと、どこまでも「皆がそうしている」という曖昧な根拠、つまり「一般論」によって、深刻な問題を隠匿しようとするものです。
ガンダムを知っていますか?
最初のガンダム、その映画版の1本目です。
アムロという少年はある時、戦場を一時離れて故郷に立ち寄りますが、そこで敵兵に遭遇します。
殺される危険を感じたので彼は銃で敵兵を殺しました。
母親はショックの余り「人様に銃を向けるなんて」と言う。
アムロも愕然として言います。「僕が殺されるかもしれなかったんだよ」
そして「母さんは僕のことを愛していないの?」
あなたなら何と言いますか?
ちょっと考えてみてください。
アムロの母はこう言いました。
「子を愛さない親がいるかい」
今、この息子は「お母さんは僕を愛していないの?」と、心を振り絞ってその質問をしました。
自分という存在の、この宇宙における待遇を知りたいために。
つまり「僕は」愛されているのかいないのかと。
しかし母親はその問いの深刻さに気付くことが出来ず、いやむしろ咄嗟に気付いたからこそなのでしょう、「親は子を愛するものだ」という一般論にすり替え、自分の心を観察し、そこから言葉を汲み出す努力を、ほとんど一瞬の内に放棄しました。
この時のアムロを見れば、「こうして子供の心は致命的に傷つく」ということを、まあ多分・・・心ある人なら、誰でも分かると思うんですよね。
この苦しみの体験は、3歳でも15歳でも30歳でも、45歳でも変わりません。
なぜなら我々の心は年輪のように育っていき、大人になったからと言って、「子供の部分」が消える訳ではないからです。
どうかみなさん、慎重であって下さい。
・・・・・・・・・・
8月31日(土)9月1日(日)は
12周年特価1200円でヒーリングが受けられます。
是非アトリエにお越しください。
次の満月と新月ヒーリングは
8月30日(火)乙女座 新月
9月14日(土)魚座 満月
各5,000円です。