自然療法2 病は切り離された心の断片
病とは、全体から切り離された心の断片が実体化したもの。
全体の中に再び回収されることを望んでいる。
例えば母親に訳もなく怒られた。
その時、子供はとても悲しく、子供の小さな心には世界全体が突然、不安定なものに変貌したように思えたことだろう。
にもかかわらずいつしか忘れ、あるいは「そういうものだ、大したことではない」と飲み込み、ついには自分が全く同じことを他人や子供にするようになる。
こうして過去は忘れられるが、それでも心の中に置き去りにされた「あの日の感情」は意識の洞察が届かないほど奥深くに蓄積し、決して消え去ることがない。
そのような遠い場所で、病は生じる。
病とは、医学的名称を持つ各種身体症状のみを意味するものではなく、人生や自己に対する持続的な悲観、無力感なども含む。
自分を愛せないならそれも病の一つだ。
病を癒すということは、自分が追放してしまった過去の心の断片を回収すること。
それはまた「本来自然な心の在り様」を地道に復元するということでもある。
このような関わり方で病を癒すためには、ただ心と向き合うということだけが必要になる。