伏龍の時
内省の時間、とでも言うべき時が巡ってくることがあります。
そのような時、申し合わせたように外界との接触がなくなり、無気力になります。
最初は仕事がないことに心配になり、それから鬱っぽくなり、かなりの時間を経過してから「ああ、内省の時間が来ていたのか」と気が付く。
毎度ながら、この気付きまでにかかる時間は長いです。
このような現象は、社会のリズムに同調して生きているとなかなか起こりにくいものだと思います。
勤めが成り立ちませんから。
フリーランスで、しかも世の中に合わせるつもりのない人間だけが、この地下水脈で起きる変化に気付くことが出来ると思うのですが、大きな力を得ることが出来る反面、なかなか扱い難い辛いものでもあります。
僕はよく「内なる自然」という言葉を使います。
それは単に自然治癒力のみを指しているのではなく、このままならぬ内なる営みを天地自然の移ろいに重ねているのです。
実際、それは比喩ではなく、同じ運動であると思う。
突然、雨が何日も続いたりします。
それと同じように突然、内なる世界でも天候が変わり、終わりが来ないかのように続くことがあるのです。
感情的に悲しいとか、そういうことではありません。
心というのはもっと深いもの。
感情というのは心の世界で起きていることの断片を言い当てるものに過ぎません。
例えば、晴れと曇りの明確な境界線はどこにあるのでしょうか?
名前によって分類される以前に広がっている空模様にはまさしく名前などなく、ただ「空」という有様を呈しているだけ。
言葉で言うなら今日は「晴れている」けれど、あっちの方には雲がある。
雲がそこにあるにもかかわらず「晴れ」であることに間違いはない。
でも移ろいとは分からないもので、ふと目を離すとその雲が膨大な塊となっていて、たちまち空を覆って雨をつぶてのごとく降らせ始める。
そんなことが、心の世界ではいつも起きています。
勿論、見る方角によっても景色はまるで違う。
心の世界も、希望と不安、確信と後悔、そう言ったものがぐるりと12方位にひしめいているのです。
そして天は言います。
「さあさあ、ずいぶん同じ方角ばかり見てきましたね。
見てごらんなさい、暫くの間見てこなかった方角を。
そしてあなたが今どこにいるのか、もっと深く正しく理解するのです」
このような内省の時は年に一度か二度、いや、もっとかもしれないですが、僕には訪れる気がしています。
(毎回この時期に僕を支えてくれる菜嘉と向井くんに感謝を捧げます。)
そのような時の過ごし方を、最近になってようやくわきまえてきた気がします。
とことんやる気を無くすこと。
自分を最大限優先すること。
そうして動きを止めると、動きが止まり切るまでは動き出すことが出来なかった次の力が動き始めます。
でも結果は常に絶対そうだと分かり切って安心していることは出来なくて、毎回、怖い思いを横に除けながらの、賭けです。
自分の思い描く、人としての生き方が今回も通用するのか、それとも通用しないことが判明して、一から出直せと運命に告げられるのか。
更にもう少し、伏龍となり沼の底に伏します。
ある夜、なかなか寝付かない子をあやしながら一枚。

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12月15日(日)14時 瞑想会(1000円)15時ー16時半 勉強会(2000円)
12月22日(日)冬至 2000円
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